先日は勉強がてら、とあるアパレルブランドの展示会に行ってきました。メルヘンチックな独自の世界観を持つブランドで、ガーリッシュを全力で楽しむということをコンセプトにしているので、展示会では服装の縛りは特になかったのですが、友人と「ピンク」「ガーリッシュ」をドレスコードにして行きました。
でも、小学生の頃からフリフリが似合わない
小学生の頃、フリルがついたドレスに憧れがあったのですが、そのときからことごとく似合わない。
欲しいものがあっても滅多に口に出さない私が、両親に欲しいとねだって買ってもらった水色のフリル付きワンピース。でも、「本当に似合わないね」と言われたのがショックであまり着られず・・・。確かに似合っていない自覚もありました。
大人になった今は好きな系統がガラっと変わったので、ガーリッシュなドレスを着たいと思うことはなくなりました。でも、このままだとなんか負けた気がする(?)
似合うものを知り、スタイリストとしてコーディネートの組み方も学んだ今なら、似合いづらいガーリッシュを着こなすことができるかもしれない。これを機に挑戦したいという思いで、今回は服を選びました。
フリフリが似合わない私がガーリッシュを着るには
私の服装心理診断の結果
ガーリッシュを似合わせて着るというのが今回のテーマですが、外見よりもまずは私の心理的特性から紹介していきます。
①一般性が高い
目立つことが苦手で、服選びの基準は「周りになじむかどうか」。TPOを最重要視するタイプ
②規律性が高い
ファッションについて「マイルール」や自分なりのこだわり、理想を強く持っているタイプ
③合理性が高い
着まわしなどの効率や機能性、コスパを最重要視
服装心理診断で、圧倒的に高い特性が一般性。展示会では、そのブランドの服を着ていく人が多いというのを事前に知っていたので、そのブランドのテーマをドレスコードにしようと友人に誘いました。テイストがどんなものであれ、その場の雰囲気から浮きたくないんです。展示会のためにコンセプトを決めて服を選んだとしても、一緒に行くメンバーの中で浮くのも避けたいから、友人にドレスコードの設定を提案する。まさに一般性。
また、似合わせて着たいというのも一般性が高い人の特徴です。調和を大事にしたいので、外見との調和、つまり似合っているかどうかを重視します。小さいころ、少しずつガーリッシュなものが似合わないと勘づいた後、自分に似合いやすいテイストのものを好きになるようになりました。私の場合、「似合うかどうか」という価値観は「どんな服が好きか」さえも変えてしまいます。単純に「好きなものを着たらいいじゃん。」ができない人です。
一般性の次に規律性が高いのも、私の特性です。何かの指針に沿って動くのが得意。そのため、服装のコンセプトを設定したり、似合う要素の中から選ぶなど、なにかしらのルールが課せられた方が動きやすいタイプです。そして、きちんと感を出したいと感じるのも規律性が高い人の特徴です。
最後に合理性。私の中では、規律性と2位争いをする要素です。バッグはいろんなものが入る大きさがいいし、当日は歩き回るから靴擦れしない靴が良い、と実用的なアイテムを選ぶ傾向にあります。
これらを踏まえた上で、似合うガーリッシュコーデについて考えていきます。
私の似合いやすいもの、外見スペック
どういったものが似合うかがわかるのが外見診断。私のサロンでは顔立ち・体型・色という観点から3つ診断をしていきます。
・顔パーツ診断 Masculine Adult
中性的で大人っぽい顔立ち。直線的で大きなデザイン、硬くて厚みがあり表面がなめらかな素材が得意。
・体型診断 I型
寸胴体型なので、ボリュームコントラストを持たせた着こなしが得意。
・パーソナルカラー診断 Summer
青みを帯びた明るい色が得意。ワントーンコーデなど、コントラストをつけない柔らかい色の組み合わせが得意。
以上が私の似合いやすい要素。特にパーソナルカラー診断で強く反応が出る傾向にありました。
では、なぜフリフリの服が似合わないのでしょうか。
フリフリのお姫様のような服装がなぜ似合わないのか
フリフリのお姫様のような服装がなぜ似合わないのか。それは私とは真逆の顔立ちの人が似合いやすいものだからだと思います。
フリルはギャザーで丸みを帯びてできたものなので、丸みを感じるお顔立ちの人の方が似合いやすく、また、フリルが小さいものだと子ども顔の人の方が似合いやすくなります。顔パーツ診断でいうとFeminine Youngタイプ。
一方、私はMasculine Adultでシャープさを感じる大人顔なので、要素がすべて真逆。だから似合いづらいのだと思います。
どう似合わせるのか
顔立ちで見ると似合わせづらい。ではどうすればいいか。そこで、形・質感・色で似合わせられる要素はないかを探していきます。
形という面では似合わせることは難しそうです。
目指すイメージ:曲線的で小さな柄やデザイン
似合うもの:直線的で大きな柄やデザイン
でも、顔回りは似合わせるために直線的なデザインにして、顔から離れたところに曲線的なデザインを混ぜ込めば、フェミニンなイメージに寄せることができます。
次に、質感はどうでしょうか。
目指すガーリッシュなイメージについて考えてみましょう。フリルデザインが施されているということは、薄く柔らかい素材でなければ針が通りづらく作りにくいです。ということは、透け感のあるものだったり薄くて柔らかい素材だとイメージに近づけそうです。
私はMasculine Adultタイプなので、顔立ちだけで見ると硬くて厚みがある質感が得意なのですが、パーソナルカラーがSummerなので薄く柔らかい透け感のある質感も得意です。
色は、パーソナルカラー的にパステルカラーが得意なので、柔らかい雰囲気に近づけることができそうです。赤と白のギンガムチェックのような、はっきりとした色の組み合わせというよりは、同じようなトーンで合わせるなど似たような色同士でまとめる方が似合いやすくなります。
着ていったコーディネートがこちら
色は、テーマとなるピンク色を基調とした同系色コーディネート。靴は、どれだけ歩いても靴擦れしないHARUTAのスポックシューズです。遠出するときの頼もしい味方。靴は見た目よりも歩きやすいかどうかで選びましたが、ブラウンなので赤味があり、ピンク色とリンクしています。
質感の面では、柔らかく透け感のある素材でフェミニンらしさを出しました。透け感のあるGUのインナーとアウターのデザイン、レースの靴下で軽さを出すことで、子どもっぽさ・ガーリッシュさを演出しています。
(若干余談ですが、場所によって気温差が大きく、当日は予想外に寒かったので、体温調節できるようにアウターとインナーの間に白いカーディガンを仕込めばよかったと後悔・・・。あとこのポリエステル100%のスカート、シワが消えなくて悲しい。たしか数百円で手に入れたものなので仕方ないか。)
低身長なので全身の比率からして頭が大きく、寸胴なI体型なので、服でボリュームコントラストを付けた方がスタイルはよく見えるのですが、ボトムスをタイトなものに替えてみたらスタイリッシュな雰囲気が出てしまい、生地をたっぷり使ったボリュームのあるドレスを販売しているブランドさんのイメージとは外れたので、敢えて上半身も下半身もボリュームのあるものにしています。
似合いづらい形に関してですが、直線曲線MIXコーデにしました。顔回りの襟元や胸元に直線的なデザインが施されているPUBLIC TOLYOのジャケットを着用。生地には少し厚みがあり、表面がツルツルとなめらかなので顔パーツMasculine Adult的に得意な質感。
でも、裾の方には曲線的なデザインがありハンサムになり過ぎないし、私にとってはパーソナルカラー的に透け感は得意要素。形的に直線曲線MIXの洋服で、FeminineタイプになりたいときのMasculineさんにオススメです。
あと、何気にスカート付属のベルトはリボン状に結ばずゆるく結んで垂らしているのも、似合いやすい直線要素をプラスするための工夫です。
そして、柄物デザインは似合いづらいので、全体的に抑えめにしてあります。大人顔にとっては柄物ばかりだと子どもっぽさが出て顔立ちと調和しづらくなる上に、私はパーソナルカラーのSummer的にもうるさく感じやすくなります。それでもテーマとして子どもっぽさを演出したいので、レースなどの地模様で若干賑やかさを出しています。
気温的に没になったコーディネート
寒いかと思ったので、長袖フリルシャツのコーデも考えていましたが、暑いと聞いたので、直前で先程の七分袖インナーに変更。実際寒かったから、こっちでも良かったな。
襟の形が大きくかなりシャープで、Masculine Adultじゃないと負けちゃうんじゃないのというシャツです。
スペックは武器だ
似合うものは人それぞれ違うので、残念ながら好きなものと似合うものが揃わないこともあります。でも、得意分野を使いながら近づけることはできます。
ゲーム内でもキャラによって得意分野がありますよね。魔法が使える人、体力がある人、知恵がはたらく人。得意分野や守備範囲はそれぞれ違うけど、「みんな違ってみんな良い」じゃないですか。ファッションにおいても同じことだと思います。元からどんな素材を持っていても、それぞれの人の美しさがあり、それぞれの服の選び方があります。
小学生の頃に憧れていた、フリフリのワンピースがことごとく似合わなかったときのショックを今でも覚えています。でも、中性的な顔立ちじゃなかったら、今回のコーディネートは思いつかなかっただろうと思うし、ファッションを学びたいという反骨精神も生まれなかっただろうと思います。
一重まぶたできつく見えがちなのが昔からコンプレックスだったのですが、かと言ってアイプチをしたりメイクで丸く見せたり整形したりするのには興味がありませんでした。なんだかんだこの一重まぶたに愛着があったんです。でも、このコーディネートで、自分の一重まぶたが好きになれたような気がしました。
「似合うもの」を使う目的は何でも良いです。好きな服を着るために使うのも良いと思うし、今回の私のように勉強のためだったり、ビジネスでのブランディングのために使うのも有効的です。何にせよ、スタイリストとして、ファッションで選択肢の幅を広げていけたらいいなと思います。